くりのきファームの飯草英雄さん(川崎市麻生区)
──年間何種類くらいの野菜を作っていますか?その中で力をいれている野菜はありますか?
年間50種類ほど作っています。農園のおすすめ品目はブルーベリー、ナス、ノラボウナ、大根、ニンジン、サトイモです。
──農業で大事にしていることはなんでしょうか?
手を抜かないことですね。野菜は生き物です。手間をかければかけるほどよい品質の野菜ができます。それでもやっぱり失敗はあります。「農家は毎年一年生」と地元の先輩が話していましたが、失敗から学ぶことも大切だと思っています。
──野菜を作っていて、なにが大変でしょうか?
露地栽培なので天候の影響が大きいことです。例えば台風が来ると、果樹の枝が折れたり、野菜が傷ついたり、まいた種が流れたりします。野菜が傷つくと病気になることもあるので、常日頃の観察を大切にしています。
農業の魅力は、健康を支えるお手伝いができることだと感じています。大切に育てた野菜が上手にできて、それを収穫したときにも喜びを感じますが、購入してくれた方からお褒めの言葉をいただいたときはより一層の喜びを感じます。
──どのような1日を過ごされていますか?
季節によっても違いますが、夏の1日は下記のように過ごしています
- 4時起床、4時15分~収穫作業
- 6時半~出荷準備 8時半~出荷、ときどき朝ごはん
- 9時半~野菜のお世話
- 12時~お昼休み&書類整理
- 14時~野菜のお世話
- 17時~午後の収穫
- 18時~翌日の出荷準備
- 19時半 仕事終了
- 20時~夕飯&お風呂
- 22時 就寝
──野菜へのこだわりを教えてください
例えば、ナスについては、売り場の他の茄子と差別化するためにも、大きめの品種を栽培しています。その分苗に負担がかかるため、気をつかいながら作っています。
──たしかに大きいですね、ふつうのナスの倍の重さがありますね。
ニンジンも、今は、香りを抑えた品種の人参が多いですが、うちでは香りの強い昔ながらの品種を作っています。これは、ニンジンを卸している幼稚園の園長先生の要望があったからなんです。香りも甘みも強い、ニンジンらしい美味しさを味わうことができます。売り場に並ぶとニンジンはみんな同じように見られてしまうので、こうしたこだわりを持って作っていることを伝えきれないのが、もどかしいです。
──都市で農業を行うという面で、特徴や苦労されていることなどはありますか?
農地は、駅から近く、住宅地の中に点在して何か所あります。駅から歩いて収穫体験できるので、夏野菜収穫、芋ほり、ブルーベリー狩りなどにも協力しています。住宅地に近い利点は、新鮮な野菜をすぐに提供できるところですね。子どもは珍しそうに畑を眺めてくれます。
苦労している点は、畑の周囲に住んでいる人に迷惑をかけないように畑をきれいに保つことですね。あとは朝一番の作業のときに音をたてないように気にしてます。
──どこで作った野菜を購入できますか?
セレサモス麻生店や、ヤオコー稲城南山店で購入できます。
くりのきファーム
住所:川崎市麻生区栗平2-1-1